SHE IS WEARING A FUR

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WHAT’S UP?
国際電車【乗車中 国境越え】 ⇒ セルビア ベオグラード駅 ⇒ SUN HOSTEL 
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ドナウ川とサヴァ川のちょうど合流地点に位置する

『白い街』という名のセルビア ベオグラードに着いたのは

天気の良い遅い午前中だった。

初の列車での国境越えだったが・・・意外とすんなり。

というか、何もなかった。

列車のマークの入ったスタンプを“ポン”と押されてお終い。

でも、出国&入稿&切符チェクで必ず起こされるから

はっきりいって深い眠りについていない。

さらには、貸し切ったコンパートメントの中が暑くて暑くて・・・

はっきりいって深い眠りについていない。

 

列車で国境越えですよ~マーク

このレバーで室内の温度調節をする・・・も微妙

セルビア来ましたね~

セルビアベオグラード到着

 

ここセルビアは第一次大戦後、

セルビア人、クロアチア人、スロベニア人の王国となり

ユーゴスラビアとなった。

第二次世界大戦、ナチスドイツの空爆を受け

24,000人が死亡。

その後、ドイツ軍から開放されると

ユーゴスラビア社会主義連邦共和国と宣言し

ベオグラードは産業拠点として急速に発展。

しかし抗議行動がはじまりデモが繰り返され

1999年、コソボ紛争が激化。

NATOによる空爆でベオグラードの街は大きな打撃をうけた・・・

 

10年前の話だ。

 

ボクらは列車を降り駅からかなり離れた宿へ歩いて向かう。

徒歩10分は絶対に嘘だね。

日本人の足が短いなんて絶対に認めないぜ!

 

で、10年前にこんな大事件があったんだから

どんだけ街が荒れ果てているのか、

空爆の跡はどうなっているのか

それを見に来たのだが・・・

オシャレビルディングが・・・

ガラス張りのビルディングが・・・

マクドナルドが・・・

犬の散歩が・・・

ここはどこだ?空爆ってなんだ?

あっ、なんかビルの取り壊しやってる。

はぁ~、それにしても宿が遠いな~

 

こういうのは親切だよな~

駅から歩く

歩く・・・

歩く・・・・

ビルの取り壊しかな?

がんばれー

えー、まだですか?

天気はいいけど・・・

遠すぎない?

ウォールアートもありますねぇ

変わった雨戸ですねぇ

おおお、ようやく!視力2.0よく見つけた!

 

予約時に確認したグーグルマップの位置から

離れた場所に今回の宿『SUN HOSTEL』はあった。

 

相変わらずドミトリー生活。

ヨーロッパは本当に何でも高い。

10人部屋のドミトリー。

でも、何かが今までと違う、この感じ・・・

 

あっ、天井が高い!部屋にソファーがある!

壁にかけられた絵も素敵!掃除が行き届いている!

おおお!お風呂もオシャレだ!

受付のお姉ちゃんは毛皮を羽織っている・・・

 

今までで一番オシャレなドミトリー

 

あれ?10年の空爆で街は・・・市民は・・・

思っていたよりも異空間に迷い込んだようですよ。

 

久しぶりに日本人の宿泊客を発見。

話を聞けば社会の先生で世界の状況を目で見て

それを生徒に教えていきたいという志の持ち主。

いいね~、こんな先生。

でね、先生に聞いたんですよ。

空爆跡地見ました?ってね。

するとこうですよ。

 

「駅からこの宿に来る途中なんですけどね

ボクもずっと探してるんですけどね

多分これだっていうのを見つけたんですよ」

 

そう、ボクたちが行きに通ったビルの取り壊し的なところ。

あそこだそうだ。

 

・・・・・・

 

いや、いいんですよ。

発展のために余計なものは取り壊して新しく建て直し、

きれいに区画整理して

ビルとかクルマとかびゅんびゅん走らせて

毛皮のお姉ちゃんが街中を歩けば、

それはそれは先進国の仲間入りですよ。

そうですよ、そうですよ。

歴史の跡は、跡形もなくきれいさっぱりしちゃうのが

国民の希望でしょうに。

と、観光客目線過ぎた自分にちょこっと鞭をいれますが

それにしても・・・

うまい残し方が・・・

なかったのかな・・・

 

まあ、10年前を知らないけれど

セルビアって国もなかなか隅に置けない発達をするんだね

ってことで。

 

text by kzm

2件の返信

  1. いちじん より:

    取り壊し中のビルですが
    爆弾の跡がいくつもありました。
    重機が入って
    瓦礫を運び出していましたか?

    あの建物、空爆記念にとって
    置いたのでは?

    そうでなければ、
    どうして後片付けが
    遅れたのだろう?

    • chiliboy より:

      空爆の事実を残しているのだと思います。
       
      ただ、ボクらもあれがそのエリアだと
      まったく気づかず通過してしまうほど
      『工事現場感』がただよっていたました。
       
      地元民がNATO空爆をどのように感じているかは
      わかりません。
      それにより『空爆跡地』の存在意義もかわってくるのだと思います。

      ただ、セルビアは今まだ通過も安定はしていませんが
      ここ10年で世界クラスの急成長をしているのは
      間違いないようです。
      もちろん外資系の企業も十分にからんでいると思いますが
      それだけ需要をみいだしている国なのだと思います。
      人に活気があります。
      アジアと中東とヨーロッパをつなぐ大事な国になっていくんじゃないかと思います。

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